ライフイズテックレッスンの効果的な使い方
高校と中学校で時期は違うがここ2~3年で、本格的に学習指導要領にプログラミングの指導が含まれるようになり、教科書にもがっつり記述されるようになった。また、来年の大学入試共通テストより情報Iが追加され、国公立大学を受けるにはプログラミングは必須となる。
しかし、それを教える人材である技術・情報の教員の大半は、大学時代にプログラミングを少しやった程度の人が多く、教えなければいけない内容に対して、教えられない人が多数発生している。
当然そのような状態を見越して、ビジネスチャンスと考えた民間会社が様々な教材を作って販売している。多くの教材は、eラーニングスタイルの教材で、Web上でPythonのコードを学べる環境にPythonの実行環境を組み合わせたものが大半である。
ライフイズテックレッスンもeラーニングで学べる教材の一つである。ライフイズテックレッスンは、生徒の進捗も簡単に追え、また、理解度チェックワークといった問題も用意されており、実際採用してみると、今後これなしでプログラミングの単元をできないといえるくらい完成度が高い。
しかし、教材を渡してやっとけだけで、プログラミング能力が付いたら、街のプログラミング教室やオンラインのメンター付きプログラミングスクール(TechAcademy、CodeCamp、DMM WEBCAMPなど)なんか存在しない。つまりは、結局は教材ではなく人が教えているのである。ライフイズテックレッスンを使ってどのように教えるかが重要である。
実際に2年ライフイズテックレッスンと使って感じた、効果的な使い方を説明したいと思うが、その前にライフイズテックレッスンの機能を確認しておく。
- 教員向けスライド
- 前回の復習や発問等で生徒をレッスンに集中させるための前座コンテンツである。
- レッスンの終了後にも今日のまとめが入っている。
- レッスン
- 教材の本体である。
- 当然レッスンの進捗は生徒によってさまざまである。
- 理解度チェックワーク
- レッスン終了後に対して実施し、生徒の理解度を測定する。
では、それぞれの機能の強みを見ていく。
機能 | 強み | 弱み |
教員向けスライド | 教員がコンテンツに対して補足説明できる | 生徒全員に話すことになるので、生徒の進捗によっては、まだレッスンが終わっていない場合がある。 |
レッスン | 教員がサポートせずに、生徒自ら進めることができる。 | 重要な内容が大きく表示されないので読み飛ばしてしまう生徒が多い。 常に答えが出るので、答えの通り入力すれば取りあえず理解せずとも進む。 |
理解度チェックワーク | 生徒の理解できていないところを指摘できる | これも答えが出るので、答えを暗記すればできる。 |
ライフイズテックレッスンの最も強いところは、生徒個別の進捗でどんどん教材が進んでいくことである。できない生徒のために授業が進まないといったことはない。間違いなく授業は安定して進む。その代わりに、とりあえず答えを写せばどんどん進めることはできるので、理解が全くできていなくても進んでしまっている。
なぜ理解できない加藤と、重要な内容が小さい吹き出しにちょこっと表示されることが多く、読まずに先に進めているからである。エンターキー連打やマウス連打の生徒がいると、周りに遅れたくないという気持ちが強くなり、周りに伝染してほぼ全員が連打になっていく。実際に授業が終わった生徒に聞くと、マウス連打の練習する時間と話す生徒もいた。
それをカバーするのが理解度チェックワークだが、これも結局1回答えると正答が出てしまうので、問題と答えをノートに写して終わらせる生徒もいる。県トップレベルの高校なら話は違うが、中堅校以下ではそういう生徒が半分以上出る。
つまり、重要なのは「レッスンをきっちり読ませる」ことが大切である。だが、生徒に読めよと言われてできる人は少ない。したがって、レッスンを読まないといけない仕組みを作る必要がある。
私が実践している「レッスンをきっちり読ませる」仕組みは、「レッスンの内容をメモするプリントの配布」である。レッスンに出てくる関数の意味を書き加える部分を用意し、レッスン途中で生徒がこのコードはどういう意味なのかを把握しながら進めることができるようにした。
コードの書き方 | 意味 | |
h1タグ | ||
background-color | ||
imgタグ |
すると、コードの入力しかなかったところに意味を理解しようとする姿勢が追加され、理解度が急上昇し、???で表示されるコードも答えを見ずに書くようになった。
また、2~3回ごとにGoogle Formsで作ったミニテストを実施し、再度復習させている。これも生徒の危機感をあおる意味で役に立っており、レッスンをきちんと読ませることに役立っている。
実際、理解度を測定できるようなコンテンツを用意したので1年目と2年目で比較したものを後日公開したいと考えている。
正直な話、ライフイズテック社には、授業前後のスライドよりも、こういうプリントを作ってもらいたい。
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